親世代にわかる邦楽ロックの一言 blog

親世代に不思議な今どきの邦楽ロックのあれこれ

SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2018 受賞 その続き「Hi-STANDARD」

どうもF山 南央です。

 

SAPCE SHOWER MUSIC AWARD 2018 の続きです。

前回、小沢健二さんを挙げました。

そしてもう1つのバンドの2017年を話したいと思います。

なぜって、このバンドはどうしても2017年を語るには外せないバンドです。

それは「Hi-STANDARD」です。

ALUBUM OF THE YRARを獲得しました。

18年ぶりにゲリラ的にいきなり始めたハイスタが、この賞を受賞するのは、本当にふさわしい。

そして彼らの圧倒的な力を見せつけられたような気さえします。

彼らが言う通り

「ショップに行って欲しい。音楽に触れて欲しい。CDを買って欲しい」

そんな思いがこもった

「THE GIFT」は、Hi-STANDARDの願いの結晶です。

なので2017年の興奮と合わせてハイスタを語ります。

 

HI-STANDARDの復活に見る独自の経済手腕とこれからの音楽市場の行方】

 

 2017年のHI-STANDARDの活躍ぶりは、

もはや社会現象だったと言ってもいいのではないでしょうか?

そんな3人が、次に何が起こるのかドキドキワクワクの1年でした。

そしてその活躍は、こちらもファン総動員で

ガッツポーズをしたくなるほど、

爽快かつ豪快にやってみせたものでした。
 

 Hi-standardは1991年の結成で、

以来ずっとインディーズにこだわり、

メディアと大きく距離を置いてきた

伝説的パンクロックバンドです。

当時の人気ぶりは相当なもので

オフィシャルに出している動画も曲にもよるけれど、

軽く550万を超える曲もあるほどです。

 

それゆえインディーズというくくりをつけるものか疑問に思うほど

モンスターバンドでした。

そんな彼らのことを今度は逆に

NEWS ZERO」や「シュ―1」などでも取り上げて、

特集を組んで放送するという現象さえ起こったほどです。

 

 HI-STANDARDとは】

 まずHI-STANDARD1991年に

TOY‘S FACTORYというレコード会社からデビューしています。

こちらのレーベルは名前こそあまり有名ではないかもしれません。

ですがレーベルを気にするファンなら

誰もが知るレコード会社です。

所属するアーティストは、ミスターチルドレンBABY METAL

Bump of Chicken SEKAI NO OWARI など

名前を挙げただけでも相当豪華なアーティストを抱えているのは一目瞭然。

そのレーベルから出発し、2000年に開催されるAIR JAMを最後に

HI-STANDARDは解散します。

そしてメンバーは

それぞれ別の音楽活動をしていくことになります。

 

 ですがその中でHI-STANDARDのGt.Co横山健が選んだのは、アーティストとして自分のレーベルを持つことでした。

それが今のHI-STANDARDの屋台骨となっているPIZZA OF DEATHというレーベルです。

 

 ここでGt,Co横山健は、

音楽とは違う経営者という道にも乗り出します。

逆に言えば、横山健が立ち上げたインディーズレーベル会社の

PIZAZA OF DEATHなくして

今回の復活はありえなかったのです。

 

【前触れ】 

 今回のHi-standardの復活は、

2011年4月にVo難波彰浩、Gt横山健 Dr恒岡章

3人によるゲリラTwitterに始まります。

もちろん告知なしです。

それを見たファンの間に衝撃が走り瞬く間に拡散していきます。

 

 ファンの中でいろいろな憶測が高まります。ですが、なかなか「曲」という形として存在しなかった2016年10月、

ついにその日がやってきます。

 

こちらも告知なし宣伝なしのいきなりCD発売となりました。

その曲が「ANTHER STARTING LINE」です。

動画の曲を作っている3人の様子にもあるように、とにかく輝いています。

あの難波さんと横山さんが

マイクに挑んで行くような唄うときの動きも

当時と全く変わらない姿がそこにありました。


 本人たち曰く「ここまで来るのには時間がかかった」

とのことですが、それはそれぞれの道での経験が、

こんな風に融合することで証明されています。

そしてCDの売り上げが、

ここでオリコン週間1位を見事に飾ります。

彼らの作品として16年半ぶりの曲が

インディーズという枠を超えた瞬間でした。
 
Twitter

 そして、功を奏したのが、先に始めたTwitterです。

全国のHI-STANDARDのファンが待ちに待って

「ハイスタがCDショップで発売される」と拡散します。

そういった意味では宣伝はしなくとも

HI-STANDARDのファンのつぶやきそのものが告知という形になったことになります。

 

【THE GIFT】

 2017年9月に都内各所に

3人の全身をとらえたポスターが張り出されます。

そのタイトルは「THE GIFT」

これがついにでるアルバムのタイトルです。

突然現れた巨大ポスター、

それはHI-STANDARDのファンにとっては

待って待って待ったもの。このことが彼らの戦略なのです。

それはHI-STANDARDのファンではない人、

または今ちょうど中学生、高校生くらいの若者にも目を向けたやり方でした。

 

 まず、HI-STANDARDの全盛期に熱狂的なファンは

すっかり30代に突入しています

ということは、今の若者世代にインパクトを与える必要があります。

そんな若者世代を一気に注目させたのがあのポスターです。

 

   知らない若者でも「誰かな?」

というように自然に興味を持って行くことができます。

その「興味をもってもらう」とは

すなわち曲を聴いてもらうことに繋がります。

家に帰って興味があったから聴いてみた。

このルーティーンをHI-STANDARDのファン以外に取り込んでもらうための相乗効果をしかけたです。

 

 さらに2017年9月。渋谷と梅田の駅の構内に「THE GIFT」の巨大バンドスコアが登場します。

それをスマホで写し家に帰ったHI-STANDARDのファンが

一斉にYouTubeに「弾いてみた」

というタイトルで

動画をたくさんアップしています。逆に

また全盛期の頃に練習して必死にHI-STANDARDのコピーをしていた30代の人達にも火をつけました。こうしてあとは10月4日を待つことになります。
 
HI-STANDARDのスタイル】

 

  HI-STANDARDの曲の売り方での一番の特徴は、

「CDショップに行って直接買ってもらう」

ということです。

ファンがCDショップに足を向けてもらうことを最優先しています。

なぜならその人が、待ちに待って買いにいったCDを、

直接手にした時の喜びを形として実感してもらうことを

体験してもらいたいからです。

 

 全盛期に熱狂的なファンであった人達は、

その頃、中学生や高校生です。

中にはお小遣いを貯めて買いにいった人も、

買わないで友達に借りてダビングしてアルバムを聴いた人もいたでしょう。

多くの動画のコメント欄を読むとあるように

「中学生だった、あの頃はすべてだった」とか「高校の思い出」とかそういう

懐かしさを込めて書いている人が数多くみられます。

 

 気付きますよね?あの頃には

配信なんてものは存在しません。

だからもしファンならどうするか?

CDを買いに行くのです。

その人達にとってのファンとは、

配信でアルバムが送られてくるものではなく、自らが取りに行くものなのです。

 

 そのためHI-STANDARDは、

CDを買ってもらうための気持ちを込めて、

先行してCDショップから発売しました。

また特典にお店で買う人だけの

ポスターをつけています。

さらに行ってみて驚くことがありました。

それは「THE GIFT」の隣にHI-STANDARDのDVDがなぜか置かれています。

 

 これはHI-STANDARDのの2000年の

AIR JAMを収録したものだったのです。

CDを買うか?それともDVDを買うか?なら両方買うか?

おそらく店頭での心の葛藤がファンにはあったと思います。

そうして待望の復活作となる

「THE GIFT」はオリコン週間1位を見事に獲得し、

さらにDVDは週間ランキングで1位となり

2006年に発売した「ANATHER STARTINNG LINE]と

3つでインディーズ史上初の快挙を打ち立てます。

 

【これから】

 

  ファンをCDショップに呼び込むことは、

アルバムを作る側の存在意識を高めます。

アルバムには曲だけではない様々な仕掛けがされています。

例えば歌詞カードが手書きでできていたり、

CD本体に印刷されっているデザインだったりと

これは配信では得られません。

そんな気持ちを込めたアルバムだからこそ

「THE GIFT]というタイトルなのでしょう。

 

 さらにこのアルバムには、

他の分野からのちょっと変わったタイアップもありました。

それはZOZOTOWNとの共同企画によるイベントです。

ZOZOTOWNHI-STANDARDと組み、

全部で30問のHI-STANDARDカルトクイズ」開催です

  この企画はHI-STANDARD

ファンの心をわしずかみしたことも確かです。

そしてZOZOTOWN側に多大な効果をもたらしました。

 

 クイズにはZOZOTOWNに登録しなければ参加できないルールがあります。

なので参加するには会員に登録してもらい

クイズに参加でする形になります。

 そうなれば会員数は一気に伸びます。

そして会員になったファンの人がクイズの後はZOZOTOWNで買い物をする人が出るわけです。そこでZOZOTOWNのメリットがうまれるのです。

 

  さらにファンの間ではその特典の豪華さに、

またTwitterが沸きます。

特典は10名に2017年12月14日ファイナルとなる

埼玉スーパーアリーナでのB-PASSというもの。

ですがそれとは別にカルトクイズを楽しんで参加している

ファンによって全国でイベント化していきました。
 

 こうやって次々と自分達をやり方をいきなり放つHI-STANDARD

全盛期の頃は、

3人それぞれが張り詰めたような緊迫感に包まれていた時もあったのとのことです。

しかし今では3人がお互いを認め合うかのようにどこか柔らかい。

かといって曲自体が全盛期と全く違う方向に向いているわけでは決してない。

「THE GIFT」が初めてのHI-STANDARDになるかもしれない若者たちに、

3人が求めるCDへのこだわりを少しでも感じてもらえれば、

また新しいHI-STANDARDのファンが生まれます。

 

 これほど熱くなっている大人はなんなのだろう?

そんな素朴な疑問からでもいいではないでしょうか。

 

  誰かが音楽は水が流れて行くようになると

どこかで言っていました。確かにそうでしょう。ただ、その流れている曲には、アーティストからスタッフ、様々な人達が知恵を絞り出すように1つ1つを作り上げていることも忘れないでほしい。

  水のように流れていく曲があるかもしれないが、心にずっととどまりつづける曲もあります。そんな音楽は、きっと生きているうちに

何回も何回も音楽の流れとは別のところにたまっていきます。

 

  そんな風にHi-STANDARDの曲が残って行って欲しい。待ち望んだ側として、

  その気持ちを込めておめでとうございますと言いたい。

 

 

【店舗限定特典あり】 THE GIFT (B2告知ポスター付) (先着特典CD付)

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